「イランは原点に振り返る場所」 山口拓実の情熱

今夢中になっている事 

トビタテを通してイラン留学の準備を半年くらいしてるんだけど、イランに行きたいとかペルシャ語を学びたいって夢中になってるね。 


イランに初めて行ったのが2016年の夏。それが初めての中東だったし、初めての一人旅だったんだけど、その時の経験が印象に残ってて。特にイランの文化とかその人たちが。 


それ以来、イランが自分にとって特別な国になってて。 


元々宗教とかに興味があったり、大学でも国際政治を学んでたりって事もあって、各地で起こっている紛争とかにも興味があった。

だから、イランに行ってからまた半年後くらいに東欧とボスニア、セルビアとかイスラエルとパレスチナにも行って、合計で17カ国回った。


その中でもやっぱり一番残ってたのがイランだった。 


山口拓実 21歳 法政大学 法学部 3年 (2018.3.14)


イランの魅力

何でイランに惹かれているんだろうって考えた時に、帰ってきてからその直後は分からなかったんだけど、その後に倫理学とか哲学に興味を持って勉強していくうちに何となく分かってきた。 


結局、人間の本質的な幸福感とかって人と人との関係の中にあると思ったのね。発展してるとか、してないとか、古代も現代も関係なく、昔の哲学者の本を読んでいてもそう感じた。 


宗教って何だろうって考えた時に、ちょっと前に技術革命が起きた直後くらいだと宗教の影響力は、技術の発展に反比例するように落ちていくと予想されていたんだって。 

それはなぜかというと、宗教には2つの機能があって、1つ目が機能主義的な人間が分からない事に理由を与える側面で、2つ目が「生きる意味」とか「なぜ生きてるのか」を説くというような人間の内面に迫るものがあるって色々本を読んでいて分かって。 


科学技術が発展すると色々解明されていくわけだから、機能主義的な所が落ちていくのは当然なんだけど、さっき言った宗教の影響力が落ちていくっていう予想に反して、今宗教の影響力て増していると思うんだよね。


結局、それは宗教の心に迫る「何のために生きる」とか「何が人間にとって幸せなのか」っていうところが現代の人達に求められてるんじゃないかって思っていて。 


科学が発達していくと目に見える事が全てなんじゃないかって傾向が強いと思ってて、宗教とか哲学とかすごく分かりにくいかもしれないけど、それは目に見えないものに迫っていくものであって、目に見えない世界って実はすごく大事なんじゃないかって思ってて。  



目には見えない世界

目に見えない世界って人と人との繋がりも含まれると思う。人を助けたいっていう思いを持ってる人ってすごく多いと思ってて、それは人を助ける事によって得られる喜びとか幸福感とかそういうものに人は向いていくからだと思ってる。


それが人間の本質的なところだし、「人はなぜ生きるのか」っていう問いにも意味付けできるんじゃないかって思う。 



中東の人って、本当に人との垣根が低くて、家族同士の関わりがものすごく強いんだよね。

向こうにいる人達って毎週親戚同士で集まったり、「愛してる」とか「好き」って躊躇なく話してるんだよ。知らない人同士でも助け合ったりするし。


日本でもホームレスがいるのに、イランでは1人も見た事がなくて。

イスラムの教えの中に「貧しい人は助けましょう」っていうのがあって、日本ほど生活水準は高くないし、法整備はされていなくても、人同士の繋がりによってホームレスがいないっていうのが自分の中に一番残ってる。  


イランのすごいところは、人同士の繋がりとか、助け合いとか、愛とか、目に見えないところ。当然文化も芸術も好きなんだけど、目に見えないところが、俺にはあの国にしかないなって思った。


自分もイランから帰ってきてからもっと家族とコミュニケーションをとるようになったし、昔はもっとシャイだったんだけど、初対面の人とも楽しく話せるようになったり、俺の中でポジティブな変化が起きた。 



山口拓実にとってのイラン

結局イランに惹かれているのは、自分が思う人間のあるべき姿だったり、本質的なところをイランが体現してるからだと思う


国家とか何教とか大きな括りじゃなくて、家族とか友達とか自分の近くにある繋がりの大切さだったり、美しさを感じさせてくれた。 


自分にとってイランは原点に振り返る場所かなって思ってる。自分のと言うよりは人間の本質を振り返る場所。 「なぜ生きるのか」って答えはないと思うんだけど、やっぱり俺は人のために生きたい。



両親は子供のために生きるし、「ケアの本質」っていう本では、ケアする事が人間の本質的な幸福に繋がっているんじゃないかって言っていて。 


例えば、人の持つ成長したい、自己実現したいっていう思いを満たしてあげる事そのものが自分の幸せにもつながるって書かれてて。まさに親と子の関係みたいな。 



イラン留学に向けて 

まずは、ペルシャ語を学びたい。現地の言葉が使えれば、もっと色んな人とコミュニケーションが取れるし、よりリアルで大事なものが吸収出来るんじゃないかって思ってる。 


イランの魅力も発信していきたい。留学でイランに行くって言うと「え!?」って言われたりもするけど、英語を学ぶだけが留学じゃないと思うし。 


俺もイランに行くの大丈夫かなとも思ったけど、トビタテでイランに行った人がいて、連絡をしていくうちに道が見えてきたっていうのもあるから、俺が発信して誰かのきっかけになったらな。 


人って自分の経験した範囲でしか完全に理解は出来ないから、おそらく自分が発信してもそれがしっくりくる人は少ないと思う。だから、最初は文化とか食事、景色とか身近に感じるような事を伝えていきたい。 






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